トラベルキングの旅行記Ⅱ

★2019年7月にヤフ-ブログより引越してまいりました。現在、各記事の修正を進めております。旅行記を地域別にご覧になる際は、カテゴリの「東日本編」「西日本編」よりお入りいただくと便利です。

岐阜バス 貸切車輌の歴史 [1] <ボンネットバス編>

 貸切バス運行開始 (昭和25年)

 
戦後の混乱期を脱し、経済事情の好転により、国民の暮らしにゆとりが生じてきました。
人々は、生活の余暇を行楽や観光旅行に求めるようになり、団体旅行が盛んになってきました。
岐阜バスでは、貸切事業の将来性とメリットに着目し、1950年 事業開始免許を取得しました。
営業開始当時の認可車輌はわずか6輌で、そのうち 貸切用として新造されたのは1輌のみでした。
他の車輌は、定期車輌を流用したものを使用していましたが、車輌の良否が団体旅行の獲得に
大きく影響することに留意し、積極的に貸切車輌の開発 および 増車に力を入れていきます。 

 (愛称なし) 



▲(トヨタ[刈谷] BL/1949年式)・・・・貸切1号車。全国に先駆けて導入されたロマンスシ-ト車です。
ロマンスシ-トとは2人掛けのシ-トを指し、当時としては珍しく、進行方向を向いて設置しています。
ボディメ-カ-は刈谷車体(現 トヨタ車体)で、トヨタ自動車のトラック・バスのボディを架装しました。
ボディ側面には、乗降扉付近に「GIFU BUS CO.LTD」、中央に「岐阜乗合自動車」と表記されています。
車内は、横5席(正席4+補助席1)×5列で25人乗りとなっています。

 (愛称なし) 



▲(トヨタ[刈谷] 型式不明/1951年式)・・・・貸切2号車。貸切車専用の新デザインを初採用しました。
乗降扉上の窓には「SPECIAL」の表記があり、ハイバック式のロマンスシ-トを採用しています。
採光性と展望性を売り物にする側天窓は、当時の観光バスの必須アイテムのひとつです。
車内は、横5席(正席4+補助席1)×5列で25人乗りとなっています。

 しろばら 



▲(日野[新日国] BH10/1952年式)・・・・貸切3号車。特別仕様の大型ロマンスシ-ト車です。
ボディメ-カ-は新日国(にっこく)工業で、全シャ-シメ-カ-のバスのボディを架装しました。
乗降扉上には「SPECIAL」の表記があり、側窓は当時としては珍しく固定式となっています。
車内は、横6席(正席4+補助席2)×7列で42人乗りとなっています。

 しらぎく 



▲(トヨタ[梁瀬] 型式不明/1952年式)・・・・最後部に独立したサロンル-ムを設けた特別仕様車です。
ボディメ-カ-は梁瀬自動車(現 ヤナセ)で、大手メ-カ-にない特注ボディをメインに架装しました。
当時より花の名前の愛称が付けられ、乗降扉の後方に「しらぎく」の表記とエンブレムが確認できます。
車内は、横4席×3列の後ろに横向きシ-トが4席、サロンル-ムが8席で24人乗りとなっています。

 (愛称なし) 



▲(日野[新日国] BH11/1953年式)・・・・側天窓を装備しない一般的な仕様です。
乗降扉の前方にサボ(定期・貸切)が掲げられ、汎用貸切車として使用されました。
リヤエンジンバス登場後、ボンネットバスは順次 定期車輌に転用されました。
車内は、横6席(正席4+補助席2)×8列で48人乗りとなっています。


★ボンネットバスとは・・・・
運転席より前、客室外のフロント部にエンジンを設けた構造のバスで、古くから存在する形態です。
三菱・日野・いすゞ・トヨタなどが生産するシャ-シに、数多くのボディメ-カ-が架装しました。
1971年には量産型のボンネットバスの生産が中止され、一旦は国内から消えることになります。
その後、昔懐かしいボンネットバスとして運行されるようになり、現在でも数台が動態保存されています。
近年は、マイクロバスのシャ-シを利用したレトロ調ボンネットバスが、観光地などで運行されています。
また、床下にエンジンを置かないことから低床化が容易なため、ノンステップバスとして生産されました。

★貸切バスとは・・・・
観光を主目的としたバスを観光バスといい、道路運送法では「貸切バス」(一般貸切旅客自動車運送事業)といいます。
一般的な団体貸切バスのほか、バスツア-に代表される会員募集型の貸切バス、契約型の貸切バス輸送があります。
団体でバスを貸切る場合、車種区分によって決められる運賃(時間制・キロ制など)と料金の合計が必要となります。
料金には、深夜早朝運行料金(最大2割増)・航送料金・回送料金・特殊車輌割増料金(最大5割増)などがあります。
一般的に、運転士1名とバスガイド1名が乗務し、バスガイドは観光案内・車内の清掃・後退誘導などを行います。
夜行や長距離運行の場合、運転士2名が交代で乗務することが多く、また近年、ガイドレスの運行も増えています。

☆各画像は、社史「三十年のあゆみ」(1974年発行)、「歴代観光バスの下敷き」(2007年発売)より抜粋しました。

  1. 2007/10/20(土) 13:24:00|
  2. 岐阜バスの貸切車輌
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6

プロフィール

travelking0105

Author:travelking0105
旅行記を中心としたブログです。
旅好きな40代・二児の父です。
乗り物全般・映画・グルメの記事も
投稿しております。ご覧ください。

ランキングに参加しています

応援よろしくお願いします。

最新記事

最新コメント

カテゴリ

旅行記<東日本編> (4)
旅行記<西日本編> (3)
旅行記<1992/93年> (11)
旅行記<1994年> (18)
旅行記<1995年> (30)
旅行記<1996年> (35)
旅行記<1997年> (9)
旅行記<1998年> (19)
旅行記<1999年> (9)
旅行記<2000年> (10)
旅行記<2001年> (5)
旅行記<2002年> (13)
旅行記<2003年> (55)
旅行記<2004年> (23)
旅行記<2005年> (37)
旅行記<2006年> (27)
旅行記<2007年> (45)
旅行記<2008年> (55)
旅行記<2009年> (65)
旅行記<2010年> (50)
旅行記<2011年> (50)
旅行記<2012年> (14)
旅行記<2013年> (14)
旅行記<2014年> (9)
旅行記<2015年> (15)
旅行記<2016年> (20)
旅行記<2017年> (20)
旅行記<2018年> (20)
旅行記<2019年> (20)
旅行記<2020年> (15)
旅行記<2021年> (15)
旅行記<2022年> (29)
旅行記<2023年> (28)
クロスバイクの旅 (34)
各種イベント参加 (9)
岐阜バスの貸切車輌 (26)
国産乗用車カタログ (5)
スカイラインの歴史 (13)
スケ-ルモデル (8)
自動車全般 (19)
バス◆雑記 (17)
鉄道◆雑記 (17)
音楽◆雑記 (9)
テレビ番組 (10)
日本映画レビュ- (2)
男はつらいよシリ-ズ (50)
トラック野郎シリ-ズ (10)
アルバムコレクション (14)
ラ-メンチェ-ン研究 (30)
グルメレポ-ト (49)
モモちゃん観察記 (57)
私の〇〇遍歴 (5)
たてもの探訪 (23)
ノンジャンル (37)
未分類 (0)

月別アーカイブ

このブログの訪問者

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSリンクの表示

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR