中型車の拡充 (昭和50年代後半~60年代)
小グル-プによる貸切バスの利用増に対応し、趣向を凝らした中型車の導入を進めていきます。
1981年には、全国初となるテレビ麻省機を搭載した「ファ-ストサル-ン」を導入しました。
1983年には、新型車輌の登場にともない、新シリ-ズ「ブリリアント」の展開を開始します。
また同年、大阪の中央観光バスが「岐阜中央観光バス」を立ち上げ、岐阜地区に進出してきました。
贅を尽くした同社の超豪華車輌に対抗し、1985年には「ブリリアントサロン」を導入しました。
岐阜バスでは、大型車を凌ぐ豪華装備を施した車輌を次々と投入し、市場ニ-ズに応えていきます。
First Saloon
▲「ファ-ストサル-ン」(日野 K-RJ170A/1981年式)・・・・19人乗り特別車です。(レインボ-RJ)
”走るプレイル-ム”と銘打ち、車内後部にテレビ麻省機を搭載しました。(1人掛けシ-トを4席設置)
一般席は横3席(1+2)で配列し、背面式テ-ブルを設置しています。(全席フルバケットシ-ト採用)
この車輌より愛称がブロック体表記(大文字・小文字混合)となり、1981年に2輌導入されました。
Brilliant
▲「ブリリアント」(三菱ふそう[呉羽] K-MK116F/1983年式)・・・・28人乗り一般車です。(K3型)
三菱自動車の中型観光系モデルは、1981年にフルモデルチェンジし、流麗なボディフォルムとなりました。
中型車の主力として、1983年に1輌、1984年に3輌、1986年に6輌導入されました。1986年式の
うち3輌は、リニュ-アル時 運転席後部にレ-ザ-ディスクカラオケを設置し、26人乗りに改装されています。
Brilliant Salon
▲「ブリリアントサロン」(三菱ふそう[呉羽] P-MK516F/1985年式)・・・・24人乗り固定サロン付バスです。
同時期に登場した大型サロンバス「ゴ-ルデンエンペラ-」に準じた内装で、車内後部をサロンル-ム(8席)としています。
1985年に2輌、1986年に3輌、1988年には次期型(エアロミディMK/P-MK527F)が2輌導入されました。
1985/86年式とも、リニュ-アル時 運転席後部にレ-ザ-ディスクカラオケを設置し、22人乗りに改装されています。
Brilliant Salon ll
▲「ブリリアントサロンⅡ」(三菱ふそう[呉羽] P-MK516F/1986年式)・・・・22人乗り回転サロン付バスです。
バブル全盛期を迎えた90年代初頭は、サロンバス需要が高まり、一般車が回転サロン仕様に改装されました。
「ゴ-ルデンエンペラ-」に装備されていたCDオ-トチェンジャ-カラオケが、運転席後部に設置されました。
前掲「ブリリアント」が改装され、1990年に3輌登場しました。
★日野レインボ-RJとは・・・・
1980年に路線系モデルとともにフルモデルチェンジした、スケルトン構造の中型観光系モデルです。
スタイルは既に発売されていた大型観光系スケルトンバス「RSシリ-ズ」の縮小版といった印象ですが、
正面窓を傾斜させている点や、大型車にはない正面1枚窓仕様も設定されるなど、差異がみられました。
長尺車(全長9m)と短尺車(全長8.1m)がラインナップされ、岐阜バスでは短尺車を採用しています。
★三菱ふそうK3型とは・・・・
1981年に路線系モデルとともにフルモデルチェンジした、スケルトン構造の中型観光系モデルです。
呉羽(→新呉羽)自動車工業製のボディを架装し、スタイルは「フルデッカ-Ⅱ」の縮小版といった印象です。
視界拡大のため、乗降扉窓(運転席窓)から1枚目側窓前方にかけ、下縁に傾斜を付けているのが特徴です。
長尺車(全長9m)と短尺車(全長8.2m)がラインナップされ、岐阜バスでは短尺車を採用しています。
★岐阜中央観光バス(現 ZIPANGバス)とは・・・・
豪華サロン車のみを揃えることで知られた大阪の中央観光バスが、
1983年に子会社として岐阜に設立した貸切専業の事業者です。
中央観光バスの社長が岐阜県出身ということで岐阜進出を果たし、
社長には実兄が就任しました。進出の切り札として導入されたのが、
濃紺ボディの固定サロン付バス「オリエントエクスプレス」(画像)です。
屋根にはバスロケットと呼ばれる装飾灯が載せられ、車内には絨毯を敷き詰め、非常に豪華な車輌でした。
☆各画像は、「ENJOY BUS TOUR」(1984年版)、「BEST SELECT」(1990年版)ほかより抜粋しました。