旅先で寅次郎に赤ん坊を押しつけ男は逃げてしまった。赤ん坊連れの寅が帰り、とらやは大慌て。その上、赤ん坊が高熱を出してしまう。
長旅の労をねぎらい寅次郎を励ましてくれたのは、美しい看護婦・京子だった。3代目おいちゃんにバトンタッチするシリ-ズ第14作。
◆マドンナ/十朱幸代(木谷京子役) ◆主要ロケ地/佐賀県唐津・呼子
オ-プニング
働き者だが子宝に恵まれない夫婦(博とさくら)は、産土(うぶす)の神にお百度参りの日々を送っています。
そして迎えた満願の日・・・・産土の神・寅が二人に赤ん坊を授け、その子の名を「寅次郎」と命名しました。
夢から覚めたのは、妙義山が見える田舎道。子供達が焼いた川魚を一口食べ、「旨いな~このイワシは」・・・・
そのまま主題歌となり、1番を歌った後に間奏が入ります。ミニコントでは、寅次郎の帽子が川に流されます。
爆笑シ-ン
呼子(よぶこ)の旅館で、寅次郎は赤ん坊と泊まっていた男(月亭八方)に酒をおごり、身上話を聞いてあげます。
翌朝目が覚めると、赤ん坊と置手紙・・・・「この子をよろしくお願いします。恩は必ず返します。寅先生」
寅次郎は赤ん坊を背負い込み、やっとの思いで柴又に帰ってきました。驚いたのは、とらやの面々!!
寅の隠し子騒動は、柴又中に知れ渡り御前様まで訪ねてくる始末。ようやく、事情が掴めた一同でした。
心に残る名場面
吉田病院の看護婦・京子に熱をあげる寅次郎は、さくら・源公と一緒に京子が参加するコ-ラス会に出掛けます。
寅の悪ふざけで会はメチャクチャに。さくらの説得で、主宰者の男・弥太郎(上條恒彦)のアパ-トを訪ねます。
持参した一升瓶で酒を酌み交わし意気投合する二人・・・・弥太郎もまた、京子に惚れていることを知ります。
寅次郎から恋の指南を受けた弥太郎は、その晩とらやを訪れ、偶然居合わせた京子に思い切って告白しました。
エンディング
正月を迎えた弥太郎のアパ-ト。さくらも「江戸川合唱団」の新年会に招かれ、京子との結婚の報告があります。
「新年おめでとうございます・・・・あなた様を恋い慕う髭面の男に、くれぐれもよろしくお伝えくださいませ・・・・」
寅次郎のナレ-ションが流れます。赤ん坊のその後が気になり、唐津まで来たついでに呼子に立ち寄る寅次郎。
「ああ!あんたじゃなかね!!」 赤ん坊を背負った女(春川ますみ)と再会したところでエンディングとなります。
総 括
マドンナの十朱幸代(とあけゆきよ)は、抜群のスタイルでとても美しく、看護服姿もきまっています。
大川弥太郎役で出演の上條恒彦は、フォ-クソング全盛期と重なり、有名どころの起用となったようです。
第3作では、寅次郎の見合い相手として登場した春川ますみが、今作でも味のある演技を見せてくれました。
なお、今作からおいちゃん役は下条正巳となり、今までとは違った「真面目なおいちゃん」を好演しています。
PLAYBACK 1974
■1974年(昭和49年)のできごと・・・・小野田寛郎陸軍少尉 フィリピン・ルバング島から帰還(3月12日)
伊豆半島沖地震(5月9日)/三菱重工ビル爆破(8月30日)/佐藤栄作前首相にノ-ベル平和賞(10月8日)
■1974年(昭和49年)のヒット曲・・・・襟裳岬(森進一)/昭和枯れすすき(さくらと一郎)/精霊流し(グレ-プ)
うそ(中条きよし)/ひと夏の経験(山口百恵)/岬めぐり(山本コ-タロ-とウィ-クエンド)/ふれあい(中村雅俊)