ふらりふらりと旅を続ける寅次郎は、出雲崎で何か思い悩んでいる京はるみとめぐり会う。はるみが旅公演の途中失踪し、演歌の女王と呼ばれて
いることも知らない寅次郎は、持ち前の優しさで励まし2人は佐渡島で夢のような数日間を過ごす。細川たかしも特別出演するシリ-ズ第31作。
◆マドンナ/都はるみ(京はるみ役) ◆主要ロケ地/新潟県出雲崎・佐渡島
オ-プニング
天保6年。佐渡金山一揆の首謀者・寅吉(渥美清)は、岡っ引き・博吉(前田吟)に生活の足しにと金塊を渡します。
そこへ、博吉の親分(太宰久雄)らが現れます。寅吉は、博吉に手柄を立てさせようと、自ら手に縄をかけました。
夢から覚めたのは、新潟のとある茶店。チンドン屋(関敬六)に「失礼でござんす・・・・」と時代劇風に喋る寅でした。
主題歌のミニコントは、当時「矢切の渡し」が大ヒット中の細川たかしが出演し、渡し舟の上で立ち往生します。
爆笑シ-ン
久しぶりに帰ってきた寅次郎。明日の満男の運動会に博が行けない事を聞き、代わりに行くと申し出ます。
満男にそのことを伝えると、「おじさん、忙しいんじゃないの?」 なんとか来させないように必死に説得します。
「満男、俺が行くのが迷惑なのか?」と寅。話はエスカレ-トし、博やタコ社長も巻き込んで大喧嘩となります。
次の日、雨で運動会は中止となりました。「一等賞とれよ!」書置きと500円札を残し寅次郎は出て行きました。
心に残る名場面
佐渡島・小木港で京はるみと別れ、柴又に戻った寅次郎。彼女のことが頭から離れず放心状態になっています。
ある日、京はるみがセンチュリ-に乗ってとらやにやってきました。有名人の訪問で、周囲は大騒ぎとなります。
寅次郎に 彼と復縁したことを伝え、7月末のリサイタル(東京公演)に来て欲しいと3人分のチケットを渡します。
その後、茶の間縁側にて 駆けつけた大勢のファンの前で「アンコ椿は恋の花」をフルコ-ラスで熱唱しました。 エンディング
盛夏のとらや。おばちゃんがタコ社長にカキ氷を作っています。店内は、京はるみの話題で盛り上がります。
「京はるみ リサイタル」に来ている博とさくら。はるみは、寅次郎とのことを話し「おんなの海峡」を唄いました。
いっぽう、北海道は胆振(いぶり)線・京極駅に降り立った寅次郎。「羊蹄夏祭り」の準備が行われています。
テキヤ仲間の「長万部の熊」(佐山俊二)に挨拶し、ねずみ顔だとからかい、取っ組合いの喧嘩となります。 総 括
演歌界の頂点にいた都はるみ。今作では、失恋の悲しみで 多忙なスケジュ-ルから逃れる女性を演じました。
京はるみの所属事務所社長役に藤岡琢也、マネ-ジャ-役にベンガル・桜井センリが扮しコミカルに演じます。
雑誌記者役の梅津栄、漁船船長役の山谷初男、宿のおばあちゃん役の北林谷栄ら、脇役陣も見逃せません。
寅次郎が葛飾電器から盗んだ「東芝ウォ-キ-」。初期のポ-タブルカセットプレ-ヤ-の大きさに驚きます。
☆画像:男はつらいよ 旅と女と寅次郎 <パイオニアLDC・定価4700円> 本編101分[主音声モノラル]
◇ジャケット(裏面)紹介・・・・たらい舟に乗る京はるみ(左上)、渥美清と都はるみ(中)