★1975年7月公開 「新幹線大爆破」 <以下 あらすじ>
新幹線「ひかり109号」に爆弾が仕掛けられた。特殊装置を施した爆弾は、走行速度が80Km/h以下になると
自動的に爆発するという。停車できない109号は、東京から博多までの1176.5Kmをノンストップで疾走
する。着々と計画を実行する犯人と、捜査当局との息もつかせぬ駆け引き。そして、運転指令室の遠隔操作・・・・
膠着状態が続く中、犯行グル-プ、警察、国鉄職員、乗客1500人それぞれの人間模様がドラマチックに展開
していく。高倉健をはじめ、千葉真一・田中邦衛・多岐川裕美・丹波哲郎・宇津井健などの豪華キャストが集結。
フランスでも劇場公開され大ヒットした、まさに日本映画史に名を残す傑作である。(東映東京撮影所 製作作品)
■序盤のみどころ・・・・ミニチュア新幹線のセットによる撮影
前方列車が故障して停止。停車できない109号は、浜松駅手前のポイントで上り線への入れ替えを試みます。
上り線に入るにはATCを切る必要があり、走行中にATCを切ると非常ブレ-キが作動するため、ポイント
直前でATCを切り惰性で通過します。上り列車とギリギリのタイミングで擦れ違い、上り線への入れ替えに
成功しました。倉持運転指令室長(宇津井健)と青木運転士(千葉真一)の駆け合いは、臨場感があり見ものです。
■中盤のみどころ・・・・主犯・沖田の完全なる身代金強奪劇
500万ドル(約15億円)の身代金を要求した沖田哲男(高倉健)。長瀞ライン下りでの取引に失敗した上、仲間
の大城(織田あきら)がパトカ-の追跡を受け事故死しました。次の取引場所に、首都高速環状線を指定する沖田。
トラックを路肩に停車させ、積んできたバイクに乗り換えてその場を去り、身代金を車内に置くよう指示します。
トラックに戻り身代金を奪い、バイクを乗り捨てロープ梯子で高架下に下ります。バンに乗り換え逃走しました。
■終盤のみどころ・・・・救援列車との並走、爆弾の除去
沖田から受け取るはずだった図面を不慮の火災で失い、爆弾の外し方が分からないまま、ひた西進する109号。
橋梁下からの撮影で爆弾の取付箇所が判明し、ガスバーナ-を積んだ救援列車が上り線を使い追いかけてきます。
2本の列車は同じ速度で並走し移し替えに成功。青木運転士自ら車両床を焼き切って爆弾を除去し、109号は
無事停車しました。救援列車の運転士を演じたのは千葉治郎。兄・千葉真一との息が合った演技も見逃せません。
■クライマックス・・・・国外逃亡を実行する沖田を追う警察
仲間の古賀(山本圭)が自爆死し、沖田は分け前を二人の遺族宛に送る段取りをした後、羽田空港へ向かいます。
護送中の藤尾(郷鍈治)から、沖田が偽名を使い高飛びすることを聞き出し、警察は空港内に包囲網を敷きます。
張り込みを潜り抜けゲ-トを通る直前、刑事が連れて来た元妻と息子の反応で見破られ、沖田は逃げ出します。
滑走路の脇で射殺される沖田。無情にも、乗るはずだったコペンハ-ゲン行きの旅客機が離陸していきました。
■総括・感想
「仁義なき戦い」など実録路線の映画を製作してきた東映は、新たな素材を模索し「パニック映画」に辿り着きます。
諸般の事情により、国鉄から一切の撮影協力を断られ、隠し撮りとミニチュア撮影の合成で製作が進められます。
前評判は高かったものの、上映が始まると興行収入は3億円で、同年に企画段階で頓挫した作品の穴埋めとして
製作された「トラック野郎・御意見無用」をも下回る結果となりました。対照的に、輸出して公開されたフランス
をはじめとする海外では評価が高く、興行的にも成功を収め、本作の製作赤字分を回収することができました。
今回初めて本作を視聴しましたが、とても内容が濃く、高倉健も格好よく、2時間半たっぷりと楽しめました。
冒頭のクレジットでは、ほぼ全編に渡り出演した小林稔侍よりも、1シ-ンのみ出演の志穂美悦子の方が扱いが
大きいのが興味深いです。犯人の要求には専ら公衆電話が使われ、逆探知を仕掛ける警察との攻防が面白いです。
沖田が乗るブル-バ-ドバン・トヨエ-ス、刑事らが乗るスカイラインケンメリ。懐かしい劇用車にも注目です。
▲「新幹線大爆破」予告編・・・・「爆弾と恐怖を乗せて」「死の旅へ一直線!」など、センセ-ショナルな文言にも注目!!
関連記事:トラック野郎「御意見無用」・・・・https://travelking0105.blog.fc2.com/blog-entry-15.html
Author:travelking0105
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