男はつらいよ 寅次郎紅の花 (1995年12月公開)
泉の結婚式の車列に割って入り、式をメチャクチャにしてしまった満男。後悔の念にさいなまれながら訪れた奄美大島で、寅次郎のかつての恋人
・リリ-と出会う。そこには、驚くなかれ寅も一緒にいた。そこへ、満男の真意を確かめるため泉がやって来る。シリ-ズ最終作となる第48作。
◆マドンナ/浅丘ルリ子(リリ-役)・後藤久美子(及川泉役) ◆主要ロケ地/岡山県津山・鹿児島県奄美群島
オ-プニング
因美線の美作滝尾駅。委託駅員と娘が新聞の尋ね人について話しています。「寅 みんな心配しています。さくら」
当の寅次郎が現れ、切符を買い求め、ポンシュウと共に勝山へ向かいます。造り酒屋に入り、試飲を楽しむ二人。
案の定、飲みすぎで酩酊状態となって出て行きます。女性店員が寅が忘れたカバンを持って追いかけて来る始末。
「津山祭り」で無許可の消火器を販売する寅次郎。地元の消防団員に問い詰められ、誤魔化すのに躍起になります。
心に残る名場面 ①
柴又を訪れた泉は、博から満男の居場所を聞き出し、加計呂麻島へ向かいます。寅次郎やリリ-らと共に満男がいる浜辺にやってきました。ずんずん歩き満男に近づいていく泉。満男の前に詰め寄り 「何であんな事したの!?」
「愛してるからだよ!!」と叫ぶ満男。「もう一回言って!!!」と泉。ついに、二人はお互いの気持ちを通じ合えました。
「無様だね~」 寅が呟くと、「いいじゃなか無様で、若いんだもの」 リリ-は満男と泉の所へ行き寄り添いました。
心に残る名場面 ②
リリ-を連れて柴又に帰る寅次郎。思い出話に花が咲く二人でしたが、些細な事で喧嘩となり、リリ-は一人で
島へ帰ろうとしています。一緒に行くよう寅に説得するさくら。運転手に急かされ、タクシ-に乗り込むリリ-。
すると、リリ-の横に寅次郎が乗り込みます。「寅さん。どこまで送っていただけるんですか?」 リリ-の問いに
「男が女を送るって場合はな、その女の家の玄関まで送るってことよ」と寅。タクシ-は羽田空港へ向かいました。
エンディング
正月を迎えた諏訪家。満男と名古屋の熱田神宮で初詣をしている泉から、電話がかかってきます。二人は結婚を
前提に付き合い始めたようです。「今年はきっとお世話になるわ~」とさくら。博とさくらは映画に出掛けました。
場面は変わり、被災地・神戸市長田区を訪れる寅次郎。パン屋の夫婦(宮川大助・花子)と出会い、話が弾みます。
「はあ。苦労したんだなあ。本当に皆さんご苦労様でした!」 寅のシリ-ズ最後の言葉でエンディングを迎えます。
総 括
第11・15・25作に続き15年ぶり4度目のマドンナを演じた浅丘ルリ子。渥美清の病状から、今作が最後に
なるかもしれないとの監督の判断で出演が決定しました。渥美清は翌年8月に他界し、今作が遺作となりました。
序盤の阪神淡路大震災のドキュメンタリ-放送内で、寅次郎が出演するシ-ンは全て合成にて製作されています。
泉の結婚式の世話人役を笹野高史、奄美の乗合船船長役を田中邦衛、タクシ-運転手役を犬塚弘が演じています。
■1995年(平成7年)のできごと・・・・阪神淡路大震災発生(1月17日)/地下鉄サリン事件発生(3月20日)
オウム真理教教祖逮捕(5月16日)/全日空機ハイジャック(6月21日)/ゆりかもめ部分開業(11月1日)
■1995年(平成7年)のヒット曲・・・・LOVE LOVE LOVE(DREAMS COME TRUE)/TOMORROW(岡本真夜)
WOW WAR TONIGHT(H Jungle With t)/Tomorrow never knows(Mr.Chirdren)/ロビンソン(スピッツ)
★ロケ地を訪ねて(本編の登場順)
☆画像:男はつらいよ 寅次郎紅の花 <パイオニアLDC・定価4700円> 本編110分[主音声モノラル]
◇ジャケット紹介・・・・浅丘ルリ子と渥美清(奥)/左から後藤久美子・吉岡秀隆・夏木マリ・倍賞千恵子(手前)
本投稿をもちまして、映画「男はつらいよ」全48作のレビュ-を完了しました。2008年3月の投稿開始以来、
幾度の休止を繰り返しながら投稿を続けてまいりました。お付き合いをいただきました皆様に感謝申し上げます。