◆マドンナ/栗原小巻(宇佐美春子役) ◆主要ロケ地/葛飾柴又・名古屋
オ-プニング
第1作のオ-プニングと似た設定。「梅の花が咲いております・・・・」 寅次郎のナレ-ションで始まります。
峠の茶屋でバスを待つ寅次郎。「釣はいらねぇ、取っときな」と言うものの、逆に代金が不足している始末。
寅次郎が乗り込むのは、富士急行のボンネットバス。路線バスには車掌が乗務しており、時代を感じさせます。
その後に、主題歌「男はつらいよ」が流れますが、唄いだしが「どうせ俺らは底抜けバケツ~」となっています。
爆笑シ-ン
名古屋競馬場で「ワゴンタイガ-」で儲けた18万円を元手に、最終レ-スまでに100万円を手に入れた寅。
大穴を当てた寅次郎はタクシ-で柴又まで凱旋し、おいちゃん・おばちゃんをハワイ旅行に招待することに。
ところが、舎弟・登が就職した旅行代理店の社長(浜村純)に代金を持ち逃げされ、旅行はパ-になります。
近所の手前、とらやに潜伏する3人。ある晩、泥棒(財津一郎)が入ったことから大騒動となり、バレてしまいます。
心に残る名場面
春子(栗原小巻)は、御前様が園長を務める「帝釈天付属ルンビニ-幼稚園」で教諭をしています。
ある時、幼い頃妻子を捨てて家を飛び出した父の危篤を知らされるも、頑なに再会を拒みます。
とらやで行われた、寅の父親(おいちゃんの兄)の命日法要に同席した春子は、大泣きしてしまいます。
実は、直前に父の友人・吉田(三島雅夫)から、電話で訃報を知らされていたのでした。
エンディング
雄大な由布岳をバックに走る蒸気機関車。車内では、寅次郎が乗客相手にとらやの泥棒騒動の話をしています。
誰もいないはずの家にスト-ブが焚かれていることに、最初は気が付かず悠々と暖をとる泥棒の話。
潜伏の発覚を恐れ、あえなく泥棒を開放する羽目に・・・・口止め料として逆に1万円を巻き上げられる話。
寅次郎の周りには人だかりができ、車掌まで耳を傾け、みんなで大爆笑するひとコマでした。
総 括
前作からわずか1ヶ月で公開された今作は、テレビ版の演出家・小林俊一氏の監督で製作されました。
撮影スケジュ-ルが立込んだためか、柴又が撮影のメインとなり、倍賞千恵子の出演もほとんどありません。
寅が海外旅行のために新調した白ジャケットの胸元には、日の丸の赤。当時は海外旅行が珍しい時代でした。
佐山俊二(蓬莱屋)・二見忠夫(備後屋)など名脇役も多数出演し、今作を盛り上げています。