低運転席タイプの拡充
1993年、三菱自動車は低運転席タイプ「エアロクィ-ンⅡ」「エアロクィ-ンⅢ」を発売しました。
1994年、岐阜バスでは最上級車「エンペラ-」として「エアロクィ-ンⅢ」を4輌導入しました。
また1998年には、中2階特別車「モナ-ク」として「エアロクィ-ンⅡ」を2輌導入しました。
いっぽう岐阜バスグル-プ各社では、看板車輌として「エアロクィ-ンⅡ」の導入を進めていきます。
◎1998年、新東海観光バスが貸切事業から撤退し、翌年 京都観光バスが廃業となりました。
◎2004年、西濃観光バスと華陽観光バスが統合され、「西濃華陽観光バス」となりました。
EMPEROR
▲「エンペラ-」(三菱ふそう U-MS821P/1994年式)・・・・41人乗り回転サロン付バスです。
運転席上にも客席を設けたアンダ-フロアコックピット(UFC)車で、ハイアングルな展望が楽しめます。
同社の車輌で唯一、衛星放送チュ-ナ-を装備し、シンセサイザ-カラオケ・間接照明を設置しています。
新たに、木曽三川の流れをモチ-フとし、長良川鵜飼の「鵜」を表現した新塗装(現行カラ-)が採用されました。
1994年に4輌(他社へ2輌転出1⃣)導入され、フラッグシップとして活躍しました。 注釈1⃣・・・・転出先不明
MONARCH
▲「モナ-ク」(三菱ふそう KC-MS822P/1998年式)・・・・48人乗り回転サロン付バスです。
同社の車輌で唯一、通信カラオケ(10000曲配信)を装備しています。(正席41・格納式補助席7)
シ-トカバ-には丹頂鶴がデザインされ、前掲「エンペラ-」導入以降、大多数の車輌に採用されました。
1998年に2輌導入され、ハイグレ-ド貸切車として活躍しました。
DYNASTY SALOON
▲「ダイナスティサル-ン」(三菱ふそう U-MS821P/1994年式)・・・・53人乗り回転サロン付バスです。
1999年に廃業した京都観光バスより2輌転入し、同社の特徴仕様としてブル-の着色ガラスとなっています。
最後列はリクライニングシ-トではなく、固定式のソファ-シ-トとなっています。(正席45・格納式補助席8)
転入後しばらくの間、社名・愛称表記変更のみで運用されましたが、リニュ-アル時 現行カラ-に改装されました。
Miyabi (西濃観光バス)
▲「雅」(三菱ふそう U-MS821P/1993年式)・・・・48人乗り回転サロン付バスです。
衛星放送チュ-ナ-・シンセサイザ-カラオケを装備しています。(正席41・格納式補助席7)
当時、華陽観光バスとともに、親会社の岐阜バスと比べハイグレ-ドな車輌を所有していました。
同社の車輌は、希望ナンバ-を取得しており、1桁/2桁揃目/3桁揃目/4桁揃目が存在しました。
Merci Vacance (華陽観光バス)
▲「メルシ-バカンス」(三菱ふそう KC-MS822P/1997年式)・・・・48人乗り回転サロン付バスです。
衛星放送チュ-ナ-・シンセサイザ-カラオケを装備しています。(正席41・格納式補助席7)
1998年には新東海観光バスより同型車が転入し、後年 華陽観光バスカラ-に改装されました。
同社の車輌は、後期のMS-7系のイメ-ジを踏襲しており、正面窓周りが黒く塗装されています。
★エアロクィ-ンⅡとは・・・・「エアロクィ-ンMV」の後継モデルです。
排ガス規制の違いにより、U-車・KC-車・KL-車・PJ-車があります。
全高は「エアロクィ-ンⅠ」と同一で、側窓面積が若干小さくなっています。
1998年4月以前は名古屋自動車製作所にて生産、以降 2007年まで
三菱自動車バス製造→三菱ふそうバス製造にて生産されました。
貸切車としての採用が大多数を占め、高速バスへの採用は少数です。
画像は、貸切車「ダイナスティサル-ン」(改装前)のリヤビュ-です。
★エアロクィ-ンⅢとは・・・・
「エアロクィ-ン」シリ-ズの最上級モデルです。排ガス規制の違いにより、U-車・KC-車・KL-車があります。
車輌価格はおよそ5000万円(エンペラ-)で、全高は「エアロクィ-ンⅡ」と比べ140mm高くなっています。
なお、衝突時のドライバ-の安全性が指摘され、現行型では低運転席タイプはラインナップから外れています。
三菱自動車バス製造→三菱ふそうバス製造にて2005年まで生産されました。
★貸切車輌の転出と抹消登録後の行方・・・・
車輌更新にともない余剰が生じたり、特殊車輌ゆえ稼働率が下がると、早期に貸切車輌を売却することがあります。
グル-プ会社へ転出するほか、中古バス業者を通じ、インバウンドを専門とする新免事業者に渡る例がみられます。
また、抹消登録後、他の事業者にて再登録されるケ-スもあり、各地で岐阜バスの中古車輌を見ることができます。
過去には、抹消登録後、中国やミャンマ-に輸出し、塗色や社名表記を変更することなく活躍した車輌があります。
かつて、貸切運用終了後、定期車輌に転用され、岐阜バスに18年程度在籍した後、概ね廃車解体されていました。
近年は、導入から12~13年が経過する貸切車輌を旧岐阜営業所にて車検切れまで留置し、岐阜バスを去ります。
☆各画像は、「SIGHTSEEING BUS LINE UP」(2005年版)ほか、および 個人撮影のものより抜粋しました。