ハイデッカ-の標準化 (90年代後半)
バブル経済が崩壊し、これまで好調に推移してきた観光バス業界にも翳りが見え始めます。
各事業者は、より低コスト・低燃費の車輌を選択し、ハイデッカ-の導入を進めていきます。
岐阜バスでは、1995年 「ス-パ-サンライズ」として「ニュ-エアロバス」の導入を開始します。
車内は、回転サロンを設置しない55/59人乗りの汎用タイプとし、悌団運行に対応しました。
U-規制・KC-規制の「ニュ-エアロバス」は、1998年にかけて合計36輌導入されました。
また1996年、中型車「ブリリアントマックス」として「エアロバスMM」を1輌導入しました。
SUPER SUNRISE
▲「ス-パ-サンライズ」(三菱ふそう U-MS826P/1995年式)・・・・55/59人乗り一般車です。
「サンライズ55/60」の後継車輌で、愛称に「ス-パ-」が付けられました。(正席45/49・格納式補助席10)
全車、シンセサイザ-カラオケを装備(初期の車輌はレ-ザ-ディスクカラオケより換装)しています。
1995年に13輌(うち11輌はU-規制車)、1996年に6輌、1997年に11輌、1998年に4輌導入
されました。後年 1輌が「ス-パ-サンライズ36」に、3輌が「ス-パ-サンライズ37」に改装されています。
SUPER SUNRISE 36 (TDL20周年ラッピング)
▲「ス-パ-サンライズ36」(三菱ふそう KC-MS829P/1997年式)・・・・36人乗り寝台バスです。
従来、ディズニ-リゾ-トへ運行していた寝台バスが、「八都県市ディ-ゼル規制」に適合しなくなりました。
これらの車輌との置き換えのため、シ-トピッチを拡げ、寝台仕様に改装されました。(格納式補助席は撤去)
画像は、「東京ディズニ-ランド20周年」(2003年)のフルラッピングを纏った名鉄観光のツア-専用車です。
KNIGHT
▲「ナイト」(三菱ふそう KC-MS829M/1996年式)・・・・54人乗り一般車です。
ニュ-エアロバスのショ-トバ-ジョン(短尺車)で、上高地向けとして1996年に2輌導入されました。
シンセサイザ-カラオケを装備(レ-ザ-ディスクカラオケより換装)しています。(正席45・格納式補助席9)
短尺車(標準尺車-740mm)に対し定員重視の11列としているため、シ-トピッチがやや狭くなっています。
Florale (華陽観光バス)
▲「フロ-ラル」(三菱ふそう KC-MS829M/1998年式)・・・・55人乗り一般車です。
ニュ-エアロバスのショ-トバ-ジョン(短尺車)で、上高地向けとして1998年に1輌導入されました。
濃色のブロンズガラスを採用し、シンセサイザ-カラオケを装備しています。(正席45・格納式補助席10)
なお、三菱ふそうでは2005年のマイナ-チェンジ(PJ-規制)を機に、短尺車(M尺)の生産を終了しています。
Brilliant Max
▲「ブリリアントマックス」(三菱ふそう U-MM826H/1994年式)・・・・28人乗り回転サロン付バスです。
1999年に廃業した京都観光バスより1輌転入し、同社の特徴仕様としてブル-の着色ガラスとなっています。
また、最後列はリクライニングシ-トではなく、固定式のソファ-シ-ト(4人掛け)となっています。
なお、この車輌はトランクル-ムの容積を拡大した屋根上エンジン直結式エアコン仕様となっています。
Merci Vacance ll (華陽観光バス)
▲「メルシ-バカンスⅡ」(三菱ふそう U-MM826H/1995年式)・・・・28人乗り回転サロン付バスです。
1995年に1輌導入されましたが、後年 岐阜バスへ転出し、「ブリリアントマックス」に改装されました。
また岐阜バスでは、1996年に「ブリリアントマックス」が1輌(KC-規制車)導入されています。
なお、これらの車輌は大型車と同じサブエンジン式エアコン仕様となっています。
★ニュ-エアロバスとは・・・・「エアロバス」の後継モデルです。排ガス
規制の違いにより、U-車・KC-車・KL-車・PJ-車があります。
1992年から1998年4月まで名古屋自動車製作所にて生産
(一部 三菱自動車バス製造でも並行生産)、以降 2007年まで
三菱自動車バス製造→三菱ふそうバス製造にて生産されました。
貸切車のほか、リムジンバスへの採用も多くみられました。
画像は、貸切車「ナイト」のリヤビュ-です。
★エアロバスMMとは・・・・
「エアロミディMM」の後継モデルです。排ガス規制の違いにより、U-車・KC-車・KK-車・PA-車があります。
全長9mで、ハイデッカ-とスタンダ-ドデッカ-がラインナップされました。(全高は大型車と共通)
1993年から2007年まで三菱自動車バス製造→三菱ふそうバス製造にて生産されました。
中型観光系モデルは、2008年に「エアロエ-ス ショ-トタイプMM」に引き継がれています。
★梯団運行とは・・・・
修学旅行や遠足など複数台で運行することを「梯団(ていだん)運行」といい、通常 同一車種で揃えて配車します。
中京圏・近畿圏の事業者では、最終が1号車、その前が2号車の順に号車番号が付けられます。(逆番という)