トラベルキングの旅行記Ⅱ

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男はつらいよシリ-ズ <第29作・寅次郎あじさいの恋>

 男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋 (1982年8月公開) 


京都の葵祭で、寅次郎は一人の老人と知り合う。ところがこの老人、当代屈指の陶芸家。誘われるままに家へ行ってみると、老人の世話をしている
訳ありの女性が一人。そんな彼女に同情と励ましの言葉をかけたことから、好意を持たれるようになるが・・・・ 柄本明も出演するシリ-ズ第29作。
◆マドンナ/いしだあゆみ(かがり役) ◆主要ロケ地/丹後半島・鎌倉

 オ-プニング 

昔、信濃の国に貧しくとも正直な農民の一家がいました。ある晩、旅人(渥美清)になけなしの飯を供します。
お礼にと、ふすまにすずめの絵を描かれるが、何と絵のすずめが抜け出して評判となり、一家は繁栄します。
木崎湖畔でハガキを書く寅次郎。油絵を描いている画家に漢字を聞き、ついでに最後まで書いてもらいます。
今作では、主題歌のミニコントはなく、長い間奏に旅先でのヒトコマを入れるなど、他作と趣向を変えています。

 心に残る名場面 ① 

作次郎(片岡仁左衛門)宅を訪ねた寅次郎は、かがりが丹後の実家へ帰ったことを知らされ、後を追います。
寅次郎と再会でき喜ぶかがり。最終の連絡船に乗り遅れ、その晩 かがりの家に泊めてもらうことになりました。
お酒が進み、寅次郎に寄り添うかがり。大胆な行動を察しつつも、緊張のあまり、その場を離れて床に就きます。
「もう寝たの?」 かがりの問いかけに寝たふりをします。あと一歩が踏み出せない自分に絶望する寅次郎でした。

 心に残る名場面 ② 

寅次郎のことが忘れられず、とらやを訪れるかがり。次の日曜日に、鎌倉のあじさい寺で会う約束をします。
一人だと格好がつかない寅次郎は、満男(吉岡秀隆)を連れて鎌倉へ向かいます。待ち合わせたのは成就院。
湘南海岸沿いのレストランで食事をした後、江の島へ渡る3人。寅次郎とかがりは何も話さず、沈黙が続きます。
「今日の寅さん、何か違う人みたいやから・・・・」 孤独感に包まれたかがりは、その日のうちに東京を離れました。

 エンディング 

盛夏を迎えたとらや。作次郎の弟子・近藤(柄本明)が、寅が持っている打薬窯変三彩碗を借りに来ています。
「寅さん、この間はごめんなさい・・・・」 伊根の漁港が映し出され、かがりの声で寅次郎宛の手紙が読まれます。
場面は変わり、彦根城で啖呵売をする寅次郎。「加納作次郎の作品だ~」 嘘八百を並べ瀬戸物を売っています。
そこに現れた、本物の作次郎。「まいったな~ 爺さん、冷たいビ-ルでも飲むか?」 意気投合する二人でした。

 総 括 

ポップス歌手から大女優へ成長したいしだあゆみ。撮影当時34歳の彼女が、微妙な女心を見事に演じました。
客演に迎えた歌舞伎役者の13代目 片岡仁左衛門(片岡孝夫の父)。関西弁の独特な語り口調が印象的です。
主題歌のミニコントでお馴染の津嘉山正種(つかやままさね)。今作では、かがりの元恋人・蒲原役を演じました。
木崎湖に始まり、京都・丹後半島・鎌倉・彦根城。ロケ地も変化に富み、旅情豊かな作品に仕上がっています。

★ロケ地を訪ねて(本編の登場順)
①京都・伊根・・・・https://travelking0105.blog.fc2.com/blog-entry-1131.html
②鎌倉・成就院・・・・https://travelking0105.blog.fc2.com/blog-entry-739.html

☆画像:男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋 <パイオニアLDC・定価4700円> 本編110分[主音声モノラル]
◇ジャケット(裏面)紹介・・・・伊根の漁港で働くかがり(左上)、渥美清と片岡仁左衛門(中)

  1. 2010/10/21(木) 23:00:00|
  2. 男はつらいよシリ-ズ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8
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コメント

No title

この作品、劇場で見た覚えがあります!いしだあゆみは何となくバランスの悪い感じが魅力的な女優さんでしたよね~☆最近見ませんがどうしてるんでしょう♪
片岡仁左衛門は、佐分利信とかと並んで、出演するだけで映画の格が高まる存在だったと思います。
  1. 2010/10/22(金) 10:44:00 |
  2. URL |
  3. Mary_7 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

Mary 7様。いしだあゆみならではのキャスティングだったでしょうか。最近、見かけませんね。
寅次郎と老人といえば、「夕焼け小焼け」の宇野重吉や、「殿様」の嵐寛寿郎が思い浮かびますが、今作の片岡仁左衛門は上品さが漂っていましたね。コメントありがとうございました。
  1. 2010/10/23(土) 05:15:00 |
  2. URL |
  3. Travel King #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

寅次郎です 良いシリーズで最後に
たこ社長が国宝の茶器を灰皿にした
シーンが面白かったです
寅次郎でした

傑作pochiです
  1. 2010/10/23(土) 11:50:00 |
  2. URL |
  3. - #79D/WHSg
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No title

監督や脚本家がそこまで意識していたかどうか分かりませんが.寅さん達の食事している食堂が夕方に店じまいするのも,日帰り客がほとんどの江ノ島の場所柄をよく表していて,なるほどと思いました.
  1. 2010/10/23(土) 11:50:00 |
  2. URL |
  3. kuroyuonsen #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

寅次郎様。マドンナがここまで寅次郎に身を任せた作品は、他にはなかったと思います。
寅が持ち帰ったものとはいえ、茶碗を灰皿代わりに使うタコ社長もひどいですね。(笑)
ポチ&コメントありがとうございました。
  1. 2010/10/27(水) 07:29:00 |
  2. URL |
  3. Travel King #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

kuroyuonsen様。2人の無言の時間を、閉店により打ち切る狙いがあったのかも知れませんね。
先日 江の島を訪れた際、今作に登場した食堂を探しましたが、見つかりませんでした。
コメントありがとうございました。
  1. 2010/10/27(水) 07:38:00 |
  2. URL |
  3. Travel King #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

↑あっ、寅次郎さん、発見!^^

これはなんだか、せつない作品でしたね・・・。
マドンナが寅さんに想いを寄せる作品は他にもありますが、
この作品はなんとなく、妖艶というか、ちょっと魅惑の作品だと思います。

床についた寅さんを追って、ランドセルを取りにきたかがりさん。
寅さんもたじたじでしたね。
そして、強引に手渡したアジサイ寺でのデート・・・。
ギクシャクしちゃって、ホントせつなかったなぁ・・・^^
  1. 2010/11/05(金) 22:18:00 |
  2. URL |
  3. 太田 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

太田観光農園の一員です様。かがりが寅さんに身を任せたくなる気持ち、分かる気がします。
かがりが渡した「鎌倉のあじさい寺で・・・・」の手紙。なぜ、成就院と分かったのか疑問ですね。
満男を連れて行かなかったら、別の展開があったかも・・・・ コメントありがとうございました。
  1. 2010/11/06(土) 23:02:00 |
  2. URL |
  3. Travel King #79D/WHSg
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